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東日本大震災から二年の月日が経った。東京に住む私たちの日常生活に不便はない。
だが、これだけの時間が経過しても、地震や津波に襲われ、家族や知人、家や畑、財産や職業を失った方たちのご苦労は計り知れない。しかし努力と工夫と協力によって、必ずや復興が果されると信じている。何度も地震津波に襲われた日本の歴史が、それを証明しているのだから。
一方、同時に起きた福島原発の事故による状況はまったく別だ。いつになれば『回復』できるのか、そもそも回復が可能なのか。その根本にある、撒き散らされた放射能を、消去する手立てはないのだろうか。
人家や土地を『除染』(箒で屋根を掃いたり、レーキで土を掻き集めたり)している様子を、TVなどで見るたびに思う。これしか方法がないのか。作業者の健康に問題はないのか。雨が降り風が舞って線量が増えれば、また同じ事を繰り返すのか。なんと空しく酷なことだろう。
もちろん私は専門家ではない。しかし、いつも思う。『放射性物質除去剤』の製造は不可能なのだろうか。空中散布すれば放射能が消えるという「夢の薬」を、大学や企業を問わず世界中の叡智を結集し、開発するべきではないか。
現在、被爆地域での問題は完全な除染に尽きるだろう。これさえ解決すれば元の生活に戻れるのだから。近い将来このような薬剤が出来るのなら、被災されたひとびとは希望を持って、今の苦境を耐えぬくに違いない。 |
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