運転免許を更新した。
急速に低下する視力の検査にもどうやら合格し、規定の講習を受けて真新しい免許証を渡される。
が、手にした免許証の「本籍欄」がどういうわけか空白だ。きけば「プライバシー保護」のためだという。氏名や生年月日・顔写真・現住所などは印刷されているのに、本籍だけがなぜ無いのだろうか。
警視庁HPによると、平成十九年から免許証が「ICカード化」され、本籍はこの中に隠されているらしい。そしてこれを見るためには当日設定した八桁の暗証番号が必要なのだ。
ん? どうも、役所のやることは分からない。
別の日、パスポートの有効期限が近づいたので、これも更新に出向いた。
申請の順番待ちをしていると、目の前に「ICチップ・パスポート」のポスターが貼ってある。ここでも「IC」である。こちらは平成十八年からの採用らしい。
このICパスポートは偽造変造が出来ないように、顔写真・氏名・生年月日などの情報を冊子の中央頁に記録しているのだそうだ。
まあ、たしかに偽造できそうにはないが、自分で内容の確認も出来ない。なにか嫌な感じだ。
などと、昨今の「何でもIC化」傾向にけちをつけていたら昨日、「IC」のお陰ですばらしい恩恵を受けてしまった。
残りが二ヶ月半もある定期券を紛失し、諦めつつ足を運んだメトロの駅事務室で、紛失した定期券をなんと「再発行」してもらったのだ。「IC」はすごい。手数料を千円支払ったが、無くしたお金が戻ってきたようなものだ。ものすごく得をした気分である。
私は以前から継続定期券を、待ち時間無しの自動販売機で購入しているのだが、いまだに有人の定期券売場はいつも長蛇の列だ。
自動販売機での定期券継続発行や、紛失定期券の再発行は意外に知られていないようだ。利用者の利便のため、東京メトロはもっと宣伝しなさい。
今回の一件で、すっかり「ICカードファン」と化してしまった私である。 |